深山に行列?!次年子そば食べ放題の超人気店『七兵衛そば』
(出典:Youtube)
目次

1. 『七兵衛そば』のある大石田町

 『七兵衛そば』のある山形県大石田町は、山形県のほぼ中央にあり、人口は約7,000人の町です。町の中央を南北に最上川が流れていて、最上川三難所(碁点・三河瀬・隼)の下流にある大石田は、陸路と水路の接点という地の利から、町の中心部はかつて「大石田河岸(おおいしだかし)」と呼ばれ、最上川舟運最大の舟着場として栄えました。
 大石田町は盆地なので、夏には昼夜に大きな寒暖差があります。また、冬には積雪が2メートル位になり、雪融けとともに豊かな水を育みます。なので、生産が盛んな米・すいか・そばが美味しくなるのです。  
 米は、大石田町内にある『最上川千本だんご』で、だんごを味わえば美味しさを体感できます。 尾花沢市・大石田町・村山市で栽培される「尾花沢すいか」は、お盆前後に全国に出荷される、夏のすいかのトップブランドです。大石田町は、玄そばの生産量が県内トップクラスです。昼夜の寒暖差によってデンプンの蓄積が多くなり、豊かな風味のそばに仕上がります。
 『七兵衛そば』は、大石田町の「次年子(じねんご)」という地域にあります。次年子の地名の由来は、冬は雪深く、冬の間に生まれた子供は翌年の春に出生届を出したからという説があります。次年子では、どの家にもそば打ち道具があり、昔は人が集まれば女性はそばを打ち、振る舞っていたそうです。

2. 山中に大行列の超人気店『七兵衛そば』

 
 6月の天気のいい土曜日に、大石田駅から13キロならレンタサイクルで行けると思い、大石田駅でレンタサイクルを借りて『七兵衛そば』へ向かいました。数日前、町内でクマの目撃情報があったそうで、クマに怯えながら『七兵衛そば』まで自転車を走らせました。これが大きな間違いの始まりで、町内の平地を5キロ位走った後には、曲がりくねった上り坂ががっつりと待っていました。
 
 やっとの思いで登りつめると、容赦のないアップダウンが待ち受けていて、息も絶え絶えに、汗だくになり走ること2時間、ようやく『七兵衛そば』に辿り着きました。
 ずいぶん何もない山の中を走ってきたはずなのに、店の前には長い行列ができていて、店の前に行列ができていました。まずは玄関を入ってカウンターにある番号札をもらい、番号札が呼ばれたら店内に入ります。
 この行列の理由の一つは、何と、「そば食べ放題」なのです。最初は食べ放題ではなかったそうですが、「わざわざここまで来てくれたのだから腹いっぱい食べていきな!」と振る舞っていたところ、いつのまにか食べ放題になったそうです。食べ放題は、店主の感謝の気持ちから始まったそうです。

3. メニューは一択?!「そば食べ放題」のみ??

※2023年6月の値段。2025年3月現在1,500円
 『七兵衛そば』の店内に入って席についてメニューを見ると、なんと、「そば食べ放題」一択です。
 裏面のメニューはこんな感じで、アルコールと、そばソフトクリームのみです。
※2023年6月の値段
 席に案内されると、おかず3皿、ネギ、大根のおろし汁、そばつゆが並べられます。
 おかずを出すのは、昔からお客様を迎える時のおもてなしの心です。おかず3皿は、きくらげ・こんぶ・わらびの1本漬けで、季節により内容は変わるそうです。
 そばが運ばれるまで、大根のおろし汁にそばつゆを注いて待ちます。普通はそばつゆに薬味を入れていただきますが、『七兵衛そば』では逆です。そばつゆを入れすぎるとしょっぱくなり過ぎるので、食べながら量を加減していきます。食べ進むうちに大根の辛味とそばつゆの塩味とまろやかさが絶妙なバランスになってきます。このスタイルになったのは、お店を始めるまで大根農家だったそうです。大根のしぼり汁でそばを食べる習慣があったそうです。
 そばは、地元産のそば粉「来迎寺在来」を使ったほどよい太さの田舎そばです。コシがあり、喉ごしの良さが特徴で、『七兵衛そば』では、安定した風味を保つため九一でそばを打っているそうです。
 美味しさの秘密は水にもあります。『七兵衛そば』の水は、次年子地区で飲用している葉山山系の自然水“こわ清水で、そば打ちに適しているといわれる軟水で、ミネラルが豊富に含まれています。
 お椀1杯には、約300gのそばが入っています。見た目より量が多いので要注意です。食べ放題の平均は1人3杯で、最高は13杯だそうです。食べ始めると普通に2杯目が運ばれてきます。半分、3分の1くらい、少なめで…みたいな注文もOKで、大根のおろし汁、そばつゆ、ネギもお代わり自由です。麺は太麺で、歯ごたえがあり、お腹にずっしりと溜まり、満腹感がすぐ襲ってきます。ここまで自転車で来たのでお腹ペコペコだから7、8杯はいけるかと思っていましたが、3杯目でかなりおなかに溜まり、4杯目はグロッキーになりながら、ようやく食べ終えました。

4. 基本情報

『七兵衛そば』の基本情報を詳しくご紹介いたします。
 場所は、東北中央自動車道 村山名取ICより車で約20分です。公共の交通機関を利用する場合の最寄り駅は、JR山形新幹線 奥羽本線 大石田駅からタクシーで約20分(13km) 急なアップダウンがあるのでおすすめはしませんが、大石田駅で要予約でレンタサイクルを借りることができます。

店舗概要
住所:山形県北村山郡大石田町次年子266
電話番号:0237-35-4098
営業時間:11:00~15:00
定休日:毎週木曜日 お盆・正月・村の行事のある日
駐車場:あり 20台

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